底生生物ってなあに? 生物が棲むところ 観察する前に 先生、おしえて! 水辺のことば辞典
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底生動物ていせいどうぶつってなあに?
指標生物から見た和歌山県の現状
和歌山県内の生物出現率ランキング
平均スコア値
 
多様性指数
 
汚濁指数の比較
 

【注意点】
・一地点につき夏冬一回の調査でのみ評価した結果です。
・各年度につき1河川毎の調査となりますので、各河川毎の調査年度が違います。

和歌山県内の生物出現率ランキング

種別出現率ランキング
順位 生物種名 地点数(全56) 生息確率(%)
1 エルモンヒラタカゲロウ 53 94.6
2 コガタシマトビケラ 53 94.6
3 シロタニガワカゲロウ 49 87.5
4 ウルマーシマトビケラ 49 87.5
5 ムナグロナガレトビケラ 44 78.6
6 アカマダラカゲロウ 40 71.4
7 ヒゲナガカワトビケラ 38 67.9
8 ヒメヒラタカゲロウ 37 66.1
9 エチゴシマトビケラ 34 60.7
10 チラカゲロウ 31 55.4
11 ヒメトビイロカゲロウ 28 50.0
12 フタバコカゲロウ 26 46.4
13 クシゲマダラカゲロウ 25 44.6
14 ヤマトアミメカワゲラモドキ 24 42.9
14 ヒメオオヤマカワゲラ 24 42.9
 
科別出現率ランキング
順位 科名 地点数(全56) 生息確率(%)
1 コカゲロウ科 56 100
1 シマトビケラ科 56 100
3 ヒラタカゲロウ科 55 98.2
4 ユスリカ科(腹鰓なし) 54 96.4
5 ガガンボ科 52 92.9
5 マダラカゲロウ科 52 92.9
7 ナガレトビケラ科 51 91.1
8 カワゲラ科 48 85.7
9 ヒゲナガカワトビケラ科 40 71.4
10 ヒラタドロムシ科 34 60.7
11 サナエトンボ科 33 58.9
12 アミメカワゲラ科 33 58.9
13 チラカゲロウ科 31 55.4
13 ヘビトンボ科 31 55.4
13 ヒメドロムシ科 31 55.4

 和歌山県環境衛生研究センターの調査では合計約200種類の底生動物を採集することができました。
 ユスリカ科や貝などの分類知識のない生物についての分類は、科または目どまりとなっているため、全種類数はもう少し多くなると思われます。
 
ヒメオオヤマカワゲラに食べられる
エルモンヒラタカゲロウ


平均スコア値の比較(河川毎の全調査地点の平均値)

平均スコア値 平均スコア値
 
ランキング
順位 河川名 ASPT値
1 富田川水系 7.99
2 日置川水系 7.90
3 有田川水系 7.90
4 日高川水系 7.86
5 那智川水系 7.82
6 古座川水系 7.79
7 熊野川水系 7.69
8 太田川水系 7.62
9 南部川水系 7.43
10 左会津川水系 6.83
11 紀の川水系 6.33
平均値 7.56

 ほとんどの河川で平均スコア値が7.5から8.0と高い値を示していることから、概ね県内の主要河川は良好な河川環境が保たれていることがわかりました。
 紀の川水系は、和歌山県で最大の流域人口を抱えていることからやや低い評価となっていると考えられます。


平均スコア値からみた地点別ランキング(全56地点×2回[夏冬])

きれいな地点ランキング
順位 地点No. 河川名 地点名 季節 平均スコア値
1 28 富田川 来栖川 8.57
2 29 富田川 鮎川新橋 8.50
3 32 日置川 中の瀬橋 8.43
3 38 古座川 三尾川橋 8.43
5 10 有田川 榎瀬橋 8.33
5 46 那智川 二の瀬橋 8.33
7 19 南部川 清川大橋 8.29
8 30 富田川 郵便橋 8.22
9 35 日置川 向平橋 8.21
10 31 日置川 近露 8.19
11 8 有田川 鳥居橋 8.15
12 10 有田川 榎瀬橋 8.12
13 46 那智川 二の瀬橋 8.11
13 13 日高川 京の又 8.11
15 7 有田川 八幡橋 8.10
 
きたない地点ランキング
順位 地点No. 河川名 地点名 季節 平均スコア値
1 26 左会津川 高雄大橋 4.14
2 5 紀の川 川辺 5.00
3 26 左会津川 高雄大橋 5.25
4 3 紀の川 船岡 5.80
5 5 紀の川 川辺 5.83
6 4 紀の川 若者広場 6.00
7 2 紀の川 三谷橋 6.08
8 2 紀の川 三谷橋 6.17
9 6 貴志川 諸井橋 6.42
10 3 紀の川 船岡 6.58
11 22 南部川 川原 6.78
12 44 太田川 高遠井橋 6.90
13 6 貴志川 諸井橋 6.93
14 24 左会津川 隧道橋 7.00
15 25 右会津川 市園原 7.00
15 22 南部川 川原 7.00

 平均スコア値が7以下であった地点は、全112調査地点中13地点のみであり、ほとんどの河川で、きれいな自然環境が保たれていることがわかりました。(紀ノ川は他の河川に比べ全地点で低い値を示す傾向がありました)

注意:一回の調査のみでの評価となりますので実際の水質環境とは異なる場合がございます



多様性指数の比較(河川毎の全調査地点の平均値)

多様性指数 多様性指数
 
ランキング
順位 河川名 多様性指数
1 有田川水系 3.67
2 日高川水系 3.43
3 古座川水系 3.37
4 日置川水系 3.33
5 熊野川水系 3.20
6 富田川水系 3.18
7 紀の川水系 3.02
8 太田川水系 2.88
9 那智川水系 2.68
10 南部川水系 2.46
11 左会津川水系 2.43
平均値 3.06

 有田川の全地点平均値が3.67となり最も高い値となりました。
 南部川、左会津川水系、太田川、那智川は、他の河川に比べ河川規模が小さいために、多様性指数が低くなる傾向にあると思われます。


多様性指数からみた(-Σ(Ni/Nlog2ni/N))地点別ランキング(全56地点×2回[夏冬])

きれいな地点ランキング
順位 地点No. 河川名 地点名 季節 多様性指数
1 32 日置川 中の瀬橋 4.22
2 37 古座川 下露 4.16
3 9 有田川 消防署前 4.10
4 31 日置川 近露 4.08
5 33支流 日置川 春日橋 4.03
6 17 小又川 五味垣内橋 3.99
7 7 有田川 八幡橋 3.90
8 23 左会津川 松崎橋 3.90
9 43 小匠川 小匠 3.90
10 10 有田川 榎瀬橋 3.90
11 1 紀の川 橋本橋 3.88
12 29 富田川 鮎川新橋 3.87
13 15 日高川 原日浦橋 3.87
14 35 日置川 向平橋 3.84
15 37 古座川 下露 3.81
最も種類数が多かった地点は、有田川の八幡橋(冬)で一調査で38種類の生物が採集されました。
 
きたない地点ランキング
順位 地点No. 河川名 地点名 季節 多様性指数
1 22 南部川 川原 0.36
2 26 左会津川 高雄大橋 0.45
3 5 紀の川 川辺 0.68
4 22 南部川 川原 1.30
5 26 左会津川 高雄大橋 1.70
6 45 太田川 大宮橋 1.70
7 46 那智川 二の瀬橋 1.80
8 41 太田川 平瀬 1.90
9 25 右会津川 市園原 2.00
10 24 左会津川 隧道橋 2.20
11 48 那智川 川関橋下流 2.40
12 33本流 日置川 春日橋 2.42
13 49 熊野川 土河屋 2.48
14 16 日高川 川辺大橋 2.50
15 24 左会津川 隧道橋 2.60
最下位となった南部川の川原では、調査地点の選定に問題があったのか、コガタシマトビケラとスジエビのみ採集された結果となりました。

注意:一回の調査のみでの評価となりますので実際の水質環境とは異なる場合がございます



汚濁指数の比較(河川毎の全調査地点の平均値)

汚濁指数 汚濁指数
 
ランキング
順位 河川名 汚濁指数
1 日高川水系 1.09
2 富田川水系 1.11
3 有田川水系 1.11
4 那智川水系 1.13
5 熊野川水系 1.14
6 日置川水系 1.15
7 太田川水系 1.18
8 古座川水系 1.23
9 南部川水系 1.33
10 左会津川水系 1.42
11 紀の川水系 1.54
平均値 1.22

 紀の川をのぞいて貧腐水性水域(きれいな水)と判定されました。日高川、富田川、有田川などで非常に低い値を示しました。
 紀の川水系についても、貧腐水性水域(1〜1.5)とβ中腐水性水域(1.5〜2.5)の境界線付近に位置していることから、今後の自然再生に注目していきたいところです。


汚濁指数からみた地点別ランキング(全56地点×2回[夏冬])

きれいな地点ランキング
順位 地点No. 河川名 地点名 季節 汚濁指数
1 41 太田川 平瀬 1.00
1 49 熊野川 土河屋 1.00
1 28 富田川 来栖川 1.00
1 31 日置川 近露 1.00
1 27 富田川 上福定橋 1.00
1 27 富田川 上福定橋 1.00
1 54 熊野川 南檜杖 1.00
1 13 日高川 京の又 1.00
1 31 日置川 近露 1.00
10 17 小又川 五味垣内橋 1.01
11 13 日高川 京の又 1.02
11 19 南部川 清川大橋 1.02
11 7 有田川 八幡橋 1.02
14 50 大塔川 静川 1.02
15 51 熊野川 小津荷 1.02
熊野川では最上流部の「土河屋」と最下流部「南檜枝」で最高評価値が得られています
 
きたない地点ランキング
順位 地点No. 河川名 地点名 季節 汚濁指数
1 26 左会津川 高雄大橋 2.36
2 22 南部川 川原 2.00
3 26 左会津川 高雄大橋 1.90
4 5 紀の川 川辺 1.81
5 5 紀の川 川辺 1.78
6 2 紀の川 三谷橋 1.64
7 21 南部川 辺川 1.59
8 6 貴志川 諸井橋 1.58
9 30 富田川 郵便橋 1.57
10 2 紀の川 三谷橋 1.56
11 3 紀の川 船岡 1.55
12 4 紀の川 若者広場 1.53
13 6 貴志川 諸井橋 1.50
14 3 紀の川 船岡 1.48
 きたない地点ランキングではあるが、一番評価の低かった左会津川の高雄大橋でも少しきたない水(β中腐水性水域)と判定されています。

注意:一回の調査のみでの評価となりますので実際の水質環境とは異なる場合がございます

ホーム底生動物ってなあに? > 指標生物から見た和歌山県の現状